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さくらアイコン1 聞いてみた。


行政は、国民のための公共機関である。

当然のことだ。
しかし今ひとつ、多くの国民がこれを十分に活用していないように思う。

今回の震災でもそうだ。
公共機関なのであるから、国民の不安や疑問にはきちんと誠意を持って対応しなければならない。
というか、通常はちゃんと対応してくれる。
我々国民の側がそれを忘れて、問い合わせたり、意見を言ったり、苦情を言ったりすることを臆しているのではないだろうか。

ということで、聞いてみました。

 「20mSv/年での学校再開は、違法行為あるいは国民の健康を蔑ろにしているのでは?」


■ 文部科学省 学校健康教育科 TEL 03-6734-2695  応対者:名前聞かず、男性
A 「文科省としては、原子力災害対策本部の決定をそのまま垂れ流しているだけ」との事。
  (本当ですよ。↑のように聞いたら「そうです」と答えました。)

■ 経済産業省 原子力安全・保安院 原子力安全広報課 TEL 03-3581-9948 
                           応対者:何度も聞いたが答えず、男性
A 「原子力災害対策特別措置法が発動され、福島ほぼ全域がこの法の対象地域に指定された。
   なので、労働安全衛生法や電離放射線障害防止規則は適用されない。」との事。
   他の質問については「よくわからない。原子力災害対策本部に電話を回そうとしたが誰も出ない。」
   会話中、大変態度の悪い対応で立腹しました。テレビで見る保安院まんまの感じか。

そこで、原子力災害対策本部に電話して聞いてみました。

■ 経済産業省 緊急時対応センター(ERC) TEL 03-3501-1511(省代表番号 部署名で転送)
        応対者 : 原子力災害対策本部 事務局のシンドウさん(新藤?進藤?) 男性

Q1 労働安全衛生法や電離放射線障害防止規則違反では?
A  上記法や省令は、事業者に対するものだから今回の件には当てはまらない。

Q2 外部被曝だけしか考慮してないのでは? 内部被曝は?
A  外部被曝の方が大きい。内部は外部被曝の数割程度。なので大きな問題はない。

Q3 20mSv/年 の根拠は?
A  ICRPを基準にしている。危険なのは 100mSv から。だから安全。

Q4 20mSv/年 × 5年 = 100mSv になるのでは?
A  そうはならない。積算はされない。

Q5 いろいろ根拠が科学的事実に基づいてないようなので資料を送りたい。どこへ送れば?
A  受け付けてない。

Q6 労働安全衛生法等の背景にある国民の健康を保護する主旨から外れるのでは?
A  もう忙しいので失礼します。(といって強引に電話を切られる)


保安院の態度の悪さは許し難いが、シンドウさんの最後ッペくらいは広い心で許容しよう。

しかし、かなり無茶な回答をしてくれたものだ。
上記回答に間違いがないのであれば、災害対策本部は、科学的医学的な事実に基づかずに今回の判断をしていることになる。

少し長くなるが一つ一つ見ていこう。

Q1 労働安全衛生法や電離放射線障害防止規則違反では?
A  上記法や省令は、事業者に対するものだから今回の件には当てはまらない。

→  今回のようなケースについて明確に該当する法が無いのは事実。
   しかしその場合は、まずは関連法を準用するのが常識であり適切。
   なので、労働安全衛生法や電離放射線障害防止規則の考え方や内容を準用すべき。
   また、原子力安全委員会[1]で、就労者以外の者を対象としないことが不備であることは、
   すでに指摘されている。
なので、なおさら就業者の規則を準用すべきなのは当然。
   というか、もっと厳しくすべきなのが本来のあり方。

Q2 外部被曝だけしか考慮してないのでは? 内部被曝はもっと多いのでは?
A  内部被曝よりも外部被曝の方が大きい。内部は外部の数割程度。なので大きな問題はない。

→  これはまったくのウソ。
   17% が大地から外部被曝、外部被曝全てでも30%である。
   残りの70%が内部被曝でこちらの方が多い。2.3~4.1倍多い。科学的事実。[2]
   
Q3 20 mSv/年 の根拠は?
A  ICRPを基準にしている。危険なのは 100 mSv から。だから安全。
Q4 20 mSv/年 × 5年 = 100 mSv になるのでは?
A  そうはならない。積算はされない。

→  ここが最大のポイント。そしてあからさまなウソである。
   ICRPは、明確に「LNT(直線しきい値なし)モデルを採用(維持)」している。[3]
   直線しきい値なしモデルというのは、影響が直線的に蓄積していくモデルのことだ。
   20 mSv/年 を5年浴びると、100 mSv を一度に受けたのと同等の健康被害が出るということだ。
   そしてそれは日本も認識しており、それを参考に線量限度値(1mSv)を決めているのだ。

   「我が国においてもICRP の主勧告の考え方を参考に線量限度が設けられており、
    この線量限度を遵守することにより、 (中略) LNT 仮説に基づいた確率的影響
   (がん及び遺伝的な影響)の発生確率の低減化が図られている。」
[4]

Q5 いろいろ根拠が科学的事実に基づいてないようなので資料を送りたい。どこへ送れば?
A  受け付けてない。

→  ほほう。国民からの情報提供も拒絶すると。

Q6 労働安全衛生法等の背景にある国民の健康を保護する主旨から外れるのでは?
A  もう忙しいので失礼します。(といって強引に電話を切られる)

→  ほほう。


まとめると、一番のポイントは、

 「ICRPは、被曝の影響は積算されないと言っている。だから 20mSv/年×5年=100mSv
  にはならないので安全。」

というのが、まったく大ウソ
だ、ということである。

ICRPでは、積算されるモデル(LNT仮説:直線しきい値なしモデル)を明確に採用しているし、
それは以前から継続して採用しているモデルだ。

しかも、日本の原子力安全委員会もそれを認識している。

そして、放射線管理区域を明記した電離放射線障害防止規則は、事業者だけを対象としているが、
これもすでに不備が指摘されているのに「事業者だけを対象とした法律だから当てはまらない」
という思考停止をする。
(仮に事業者向けだとしても、事業者の東電は放射線管理区域の拡張を申請しなければならない。
 よって東電も完全に違法。もちろん多量の放射線を漏洩させている時点で大きく違法だが。)

このような、国際基準(ICRP)を無視・捏造し、かつ科学的医学的にまったく誤りである根拠に基づき、
子供達の被曝限度を20mSv/年に設定する判断をした、原子力災害対策本部。

今後、この基準に対して多数の裁判等が起こされるだろうことは容易に想像がつく。
しかし、原子力災害対策本部は、いったいどうやって申し開きをするつもりなのであろうか。
矛盾だらけで、弁護のしようもないように見える。


見てはいないだろうが、当ブログをもって、原子力災害対策本部への公開質問状としたい。
回答も無いだろうけど。

でも、問い合わせることが大切。
公共システムはどんどん活用しましょう。
こういう時のために、我々が自分たちで決めて、運用しているシステムなのだから。


脚注
[1]・第9回放射線障害防止基本専門部会(平成14年2月5日)
  ・国際放射線防護委員会(ICRP)2007 年勧告(Pub.103)の国内制度等への取入れについて
                              -第二次中間報告- 他
[2] 例えば、1988年国連科学委員会報告等。KEK(放射線科学センター)等でも確認できる。
[3]・ICRP 2007年勧告(Pub.103)  (65) LNT(直線しきい値なし)モデルを維持
   ・ICRP 1990年勧告(Pub.60)   (71) バックグラウンドを超えるやや高い線量では、
                        線量の増加と有害影響の発生確率の増加について、
                        比例関係を想定することは妥当な近似

   ・他にもWHOプロジェクト他多数
[4]・国際放射線防護委員会(ICRP)2007 年勧告(Pub.103)の国内制度等への取入れについて
                              -第二次中間報告- 他

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