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■お金のしくみ(4) 「失われた10年」

概念的なことばかりでなく、少し実例についも書こう。

   「失われた10年」

少し前からこの言葉をよく耳にするが、なぜ、91年のバブル崩壊以後、日本経済が停滞したのか?
これを一番わかりやすく説明したのが、リチャード・クー氏の「バランスシート不況論」であろう。

概略は、

1 バブル後、金利を殆どゼロにしても企業がお金を借りなかった。
2 理由は、企業が借金の返済に注力したから。新たな設備投資をすごく抑制したから。
  (これを経理用語では、「バランスシートを改善しようとした」と言う。
   そのため「バランスシート不況論」という名前がついた。)
3 そのため、貨幣乗数が減少しだして、不景気となった。

ということである。
要するに、貨幣の量(マネタリーベース)の方ではなくて、貨幣乗数の方が下がったから、全体の経済規模(マネーストック)が減少していくようになり、「失われた10年」となった、ということである。
(リチャード・クー氏については、現在ではいろいろと批判もあるようだが、それは主に国際収支問題についての批判である。ここで紹介した財政政策の分析については、高い評価が大勢かと思う。)

このリチャード・クー氏の理論も、

   重要なのは、あくまで経済全体の「お金の量」「お金の動き(回転)」だ

ということがわかっていれば、よく理解できることと思う。
要は、バブルの負債返済と先行きの不安感から、企業が借金をしなくなったことが原因なのである。
(貨幣乗数の低下としてそれがデータに現れるのには、少し時間にズレが。)

これが理解できれば、安倍総理が、日銀の国債引き受けに言及していることも、よく理解できる。
インフレターゲット2%を安倍総理が指示し、最近のニュースで、ようやく日銀もそれに沿った政策にする方針を固めたことはご存じの通りである。

貨幣乗数がなかなか上がらない中、元となる貨幣の量(マネタリーベース)を上げるしかないだろ、ということなのである。
(これはもう、10年以上前から言われていることではあるが。)

一方、アメリカはもっとあからさまである。
下記に世界各国のマネタリーベースと、貨幣乗数(信用乗数)のグラフを示す。
  

このグラフからわかるように、アメリカはサブプライム問題で企業や個人が急に借金をしなくなった。
アメリカの経済が停滞して縮小しそうになったのだ。
そのためFRBがすぐさま量的緩和を行い、一気にマネタリーベースを2倍以上に引き上げた。
当時、大恐慌の始まりでは?とかなり噂されていたが、それが回避されたのは、こういった“経済操作”が行われたためである。
(お金はあまり回転していないのにドル札は2倍以上に増えたので、円高ドル安にもなった。)

また、中国のマネタリーベースとマネーストックのグラフも示しておこう。

このグラフから、中国はかなり貨幣乗数が大きいことがわかる。
大体2000倍くらいであろうか。
(これ本当?ちょっと信じられません。詳しい人がいましたらぜひご教授ください。)
このデータが本当だと仮定すると、中国人はじゃんじゃん借金をし、どんどん経済を回す活動をしているということになる。
逆に言えば、内乱等の社会的問題他によってもしこのバブルが弾けると、中国経済は一気に崩壊する。
かなり危うい経済構造を持っているということがわかる。
(マネタリーベースは、そう簡単には増減しないが、貨幣乗数は変動幅が大きい。)


これらのデータを考える上で、一番のポイントは「お金の量」であり、これを長期的に少しずつ増やしていくことが一番重要だ、ということなのである。
安倍政権は、このことをちゃんとわかっているからこその政策(アベノミクス)なのである。
(どこかの売国政権ではこんな話は微塵も出てこなかったのと、とても対照的である。)

(つづく)

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